2006年05月20日

大河ドラマ 功名が辻 第十九回 2006年5月13日放送 あらすじ&レビュー

第十九回 天魔信長
「よねはおとなしいしとやかな娘にございます。」と書かれていた千代の手紙を受け取る一豊。ふと、無事長浜に帰れるのかと不安になるのだった。六平太は、「織田家を見限りませぬか。」と毛利側に通じ画策していた事を告げる。自分はもう千百石を知行する身だとその申し出を拒否する一豊に、「命あっての千百石ではないか。」と言い残して六平太は姿を消す。
































光秀の娘、玉子は信長の命令により細川忠興に嫁ぐことに。「忠興様は幼い頃より存じ上げております。玉はきっと幸せになりまする故。」と、玉子は父の持たせようとした懐刀を返す。玉子の話を聞いた千代はよねを見ながら感慨にふける。
荒木村重が毛利に寝返った。秀吉は村重を説得しに行くことを決意する。「こいつは運を持っておるのだ。」と、秀吉は一豊を連れて摂津有岡城へ。だが、村重はことがおこったからには後には引けぬと、秀吉を認めながらも取り合おうとしなかった。さらに村重は嫁いでいた光秀の娘ともを返し、決死の覚悟で持久戦を構えた。秀吉勢からはとうとう黒田官兵衛が有岡城へ出向くが、着くやいなや消息はとだえてしまう。
「筑前守には官兵衛が必要なのだ。」と半兵衛は虫の息で呟く。程なく千代から見舞いの手紙が来るが、半兵衛はすでに臨終の時を迎えていた。半兵衛は秀吉と一豊の前で、安土殿には天下は取れない、もう少し生きていれば殿と一緒に祝えたものをと悔しがり、最後に「私が生涯好きであった女子は千代殿じゃった。」と言い残して息を引き取る。

レビュー
半兵衛の謎が明らかになり、物語に少しばかり爽やかなメロウさを宿した回である。信長、濃姫、市、村重など、己とは何かを語り、そしてその物差しにすがり生きる人々の姿が描かれている。物語もだんだん佳境に差し掛かってきたが、舘ひろし演ずる信長の持ち味が十分発揮されているのは特筆すべきことだろう。人々の怨念につゆほどの涙も見せない信長のそら恐ろしさが幻影のように冷たく、残りの人々を巻き込んでいくすごみが静かで圧倒的だ。それだけにさらに濃姫の存在が浮き立ち、力ある言葉を吐かせている。そこにある不通の感覚は、なにがなんでも愛を守り抜く千代や一豊と対照的だが、リアリティの背後にある、終わりない超越性への入り口を思わせる。



ブログランキング
宜しければ、1クリックして、ランキングにご協力下さい。


posted by 綾悦 at 14:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年第2期ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月13日

大河ドラマ 功名が辻 第十八回 2006年5月13日放送 あらすじ&レビュー

第十八回 秀吉謀反
近江に引き上げてきた秀吉を信長は許すことなく、秀吉は長浜で蟄居を命ぜられる。秀吉は気が抜けたようになり、ねねもお先に浄土へと覚悟を決める。だが、半兵衛のある策によって秀吉は窮地を免れる。それは、信長の近くにいる猿楽師達を呼んで猿楽の宴を開き、信長への忠信を高々と宣言することだった。






























宴の席で秀吉は、「このわしは、上様のお草履を抱いていた頃より、片時も我が身の事を思うたことはない。すべて上様の御為、この世に生まれ出たのも息をするのも上様の御為。」と言ってのけ、状況を察したねねも酒をあおる。千代も酒を飲み、踊りを舞う。座は大いに盛り上がり、大成功に終わった。
「もし千代が男に生まれていたら、半兵衛様をしのいでいたかもしれん。」と言う一豊に、「女子でなければだんな様の妻にはなれませぬ。」と千代。
松永弾正の信長への謀反で、運良く秀吉は信長から弾正を討てとの命を得る。よねと手を合わせて一豊の無事を祈る千代だった。
信貴山に赴いた秀吉軍は、弾正をあっという間に取り囲んでしまう。
「頭を使え。」と秀吉は一豊に言い、信長が平蜘蛛の釜を欲しがっていたことを伝えるようにと、一豊を使いに出す。一豊は平蜘蛛の釜を献上する代わりに弾正を説得しようと試みるのだが、その話し合いは無駄に終わった。弾正との和睦を取り計らった一豊が帰るや否や、信長の命令で秀吉軍は弾正の城に総攻撃をかける。弾正は城ごと爆死した。
子供を手にかけてしまったことで一豊は悩む。吉兵衛は、「世は戦国、戦うは我らの定め、逃げ道はございません。」と一豊を力づける。我が家に戻り一豊は、千代と娘と三人で団欒の時を過ごす。
信長の命令で秀吉は中国へ、光秀は丹波へと赴くことに。柴田勝家とどうもうまくいかない秀吉に、「生きてること自体が辛い事だ。」ともらす光秀。濃姫に別れを告げに行く。濃姫は光秀にも天下人の資質があると言い、光秀の肩に散った落ち葉をすくって別れに答える。
中国での秀吉の戦いは、三木家の寝返りで困難を極める。六平太は、一豊に織田家を見限らせようとしていた。

レビュー
秀吉の窮地に半兵衛の最後の活躍が見られる回。ツボを抑えた千代の才覚が現れ、一豊に更なる癒しを与えている。また、切羽詰った秀吉の態度から、己に巣食う魔物を垣間見る回でもある。信長をしのぐ世紀の悪人と伝えられている弾正の平蜘蛛の釜の逸話が登場し、精神的な財が取引に使われていたことの当時の習慣もちょっとばかり伺われている。様々な欲望がひしめく人の世、なかなかうまくいかないのは当時も今も同じである。光秀に光を当てることが「人間の所業のせめてもの反芻」といった効果を生んでいる。


ブログランキング
宜しければ、1クリックして、ランキングにご協力下さい。


posted by 綾悦 at 16:57| Comment(0) | TrackBack(1) | 2006年第2期ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月07日

大河ドラマ 功名が辻 第十七回 2006年4月30日放送 あらすじ&レビュー

第十七回 新しきいのち
血のつながった子供が出来た事で、法秀尼、きぬをはじめ千代の周りが賑やかになって来る。一豊は、男の子が生まれたら秀吉の一字をもらって秀豊と名付けると言う。千代は女の子が生まれた時は、よねという名前にしようと考えていた。































秀吉は、副田甚兵衛を旭姫の婿にしたく思っていたが、甚兵衛はなかなか承知しない。秀吉は「これは上意である。」と言い涙を流して甚兵衛を説き伏せる。「お前様の人たらしは見事でございます。」とねねは半分あきれ顔で、一番大切な旭の気持ちを慮るべきだと秀吉をしかる。
その頃竹中半兵衛は病気で臥せっていた。見舞いに来た秀吉に半兵衛は、上杉が北国に攻めて来ても、柴田には力添えしない様に忠告する。
千代にとうとう子供が生まれた。女の子だ。申し訳ございませんと謝る千代だが、法秀尼はいたわって褒める。女の子はよねと名付けられた。
秀吉の言いつけを守り旭と一緒になった甚兵衛だが、抜け殻の如き旭の態度に悩み果てて千代を頼ってくる。千代は旭の気持ちを受け止め、赤子の様な心にお戻り下さいと言う。母を目の前で斬られた千代の言葉に旭は心を動かされる。「この乱世に生きる者は誰でも辛いゆえに己を慰めて生きるのだ。」と言う千代に続いて甚兵衛は、「泣きたければ泣け、怒りたければ怒れ。怒ればきっと楽になる。」と言う。旭はぼろぼろと泣き出し、二人の様子を見て、千代はほっとする。
戦から帰り、ようやく一歳の我が娘と対面することができて喜ぶ一豊。だが、肝心のよねがなついてくれない。
ある日一豊と千代は、光秀の坂本城に呼びよせられ、大きくなった光秀の娘、玉(後の細川ガラシア)と会う。嬉しそうに我が子をながめる光秀と、ひとときの時間を過ごして来る。
信長は濃姫に、自分の地が天下のへそになると得意気に言い、謙信も自分にひれ伏すだろうと豪語する。濃姫は、いくら戦に勝っても傷の痛みが分からぬ者に民の心はついてこない、人の心をお忘れになってはなりませぬと信長に訴え、怒りを露にする信長に対し、これが子供を作れない自分のできることだと言い放つ。
柴田勝家は、謙信との戦に援軍を要請する。半兵衛から言われた通り、近江こそ決戦の場にするべきだと秀吉は信長に進言するが、信長は秀吉に北国出陣を命ずる。
北国に赴いた秀吉は、勝家と考えを戦わせた挙句、そりが合わずに帰って来てしまう。秀吉への信長の怒りを知った千代は慌てて半兵衛を訪ねる。

レビュー
よねの誕生に人々の思いが重なり、旭姫の嫁入りなど人情の機微に溢れた回だ。登場人物の爽やかさも手伝い、時代の息遣いが聞こえている。戦乱の中、あやまち、まちがいを後生大事に箱の中にしまってしまう人間のつれなさに新しいいのちが対比され、すべての歯車に油を差すべしという大石氏の思想が感じられる。



ブログランキング
宜しければ、1クリックして、ランキングにご協力下さい。

posted by 綾悦 at 11:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 2006年第2期ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。